第64回高岡・砺波地区高等学校演劇発表会を終えて

●部活動紹介 - 放送・演劇部 活動の様子 –

6月に部活動が再開してから、2,3年生は新入生歓迎公演を上演して新入生の勧誘を行い、新たに3名の1年生が加わりました。それから半月、3年生は引退公演に向けて、1,2年生は新人公演に向けて練習を行い、校内において先生方を観客として迎え上演することができました。3年生が引退するといよいよ2年生が中心となります。しっかり者の3年生が後輩を引っ張ってきただけに、2年生が中心となったらどうなるのだろうと初めは心配でした。しかし、新部長が決まり活動がスタートすると、徐々に2年生が変わっていきました。1年生が上手く演技ができないと2年生が優しく根気強く指導する場面や、態度について指導する場面も時々見られ、2年生が先輩として自覚し後輩を育てようという姿勢が出てきたのだと嬉しく思いました。また1年生も、挨拶をすること、状況を見て動くことなどを教わりながら、部の一員として成長しているのを感じました。
しかしながら地区大会の前はまだ部員全員の気持ちが弱く、キャストは自信を持って自分に向き合うことができず部員達に気持ちのズレがあるようにも感じました。しかしそんな生徒達に変化が見られたのは、地区大会と新高祭を終え、いよいよ県大会に向けて練習が始まった頃でした。中途半端な気持ちだった自分を捨て、プライドを捨て、自分に向き合い自分で考えること。自分たちの上演に向けて本気で創りたい演劇を目指して意見を言い合うこと。仲間を思いやる気持ちを持つこと。また必要なことは自分たちがまず考え自分たちでやり、必要なら助言や協力を頼むこと。感謝の気持ちを持って誠意ある行動をすること。それらを部員達と約束し、中間考査後に練習は再スタートしました。
それまでは、演技や道具のことなど2年生だけが意見を言っていましたが、そのうちに1年生も積極的に考えを述べるようになりました。先輩である2年生が1年生の意見を尊重し、1年生との関係を大事にしながら指導してきたからだと思います。1,2年生全員の意識が高いレベルで同じ方向を向いてきたのだと感じました。
自分の演技に真剣に向き合い考える、相手との 感情のキャッチボールをちゃんとやる、という簡単そうであって実は難しい練習に真剣に挑み、徐々に演技も変化していきました。しかし、ここで問題が起こりました。劇を丁寧に創ってきたせいか上演時間60分という制限時間を3分以上オーバーしてしまいました。これは大変だと、時間を縮めるために部員達は真剣に話し合いテンポ良くするところを時短できるよう練習し、照明とのタイミングを計るために体育館のステージに行って確認もしました。演技を観て気になったところは互いに言い合い、上手くできなかったら誰かがやってみて演技のきっかけを探す、そうしながら皆で創り上げたのが県大会での上演でした。
本番は緊張して上演時間が短くなるのが常ですが、それもあって時間内に上演を終えることができ、そして最優秀賞をいただくことができました。自分たちがやってきたことが認められたのだと、生徒達はほっとして胸がいっぱいの様子でした。賞をいただくと審査員から直接助言を受ける機会が得られます。部員1人1人が、演技や照明、音響についてどうしたら良いのかと悩んでいたことを順に質問し、審査員から意見をもらうことができました。これで良いのか疑問だったことに対して、よかったのだと、あるいはもっとこうできたのだと気づくことができて、生徒達は本当に嬉しそうでした。審査員に堂々と質問したり意見を述べたりする生徒達の姿を見て、成長の喜びをかみしめた瞬間でもありました。
「第十三次三島町高校生戦争」この台本は、岐阜県の高校生が数年前に書いたものであり、中部日本大会で上演された作品です。今年はコロナ禍で地区大会ができるかどうか怪しい、さらに上の大会も実施されないかもしれない、そんな中で6月に選んだこの作品は、生徒達にとって入賞したいではなく、自分たちが自分たちらしく楽しんで演じられる劇をやりたいという思いで選んだ作品です。友情と恋愛という高校生のありふれた日常。内容的には賞を取るには演技力がかなり必要だと認識して選んだ作品でした。しかし、キャストの人数や男女比を考えて台本を潤色していく中で面白いセリフがどんどん加わり、新湊オリジナルの色が次第に濃くなっていきました。高校生の発想は自然で面白く感心するばかりでした。中部日本大会に向けて、キャストは改めて役づくりを考え、役の人物について、家族や友達との関わりや、悩み、夢など、役の環境や個性を見つめ直し演技を深めていきました。また音響、照明ともに、キャストの動きとのタイミングを考えながら劇により深みを持たせるために効果的なものを追求して大会に臨みました。
練習ではキャストもスタッフも学年を越えて意見を自由に言い合い、それを受け止めどうしたら良いかを部員同士で話し合っています。それができるのは、互いに認め合う関係ができているからだと思います。2年生は1年の頃から皆が仲良く、そんな2年生全員が1年生にちゃんと敬意を持って接し指導している姿をみると、本当に誇らしく感じます。大会を経験すればするほど、生徒達は演劇の面でも人としても成長することができます。中部日本大会に出場するにあたり多くの提出資料があったのですが、今年は、そのほとんどを部員が分担して書いてくれました。自分たちができることはできるだけ自分たちでやる、それを態度で示してくれたのだと思います。
中部日本大会が終わり、現在、部の送別会で上演する劇と、新入生歓迎公演で上演する劇の準備が始まったところです。
今年はコロナ禍のため、体育大会での進行や実況中継といった放送活動、学校外の施設における演劇活動や交流をはじめ、他校の部員との研修もできませんでした。しかしながら、マスク着用でも部活動ができたこと、そして県内での大会、さらには県外の大会にも参加できたことは本当にありがたかったです。大会を運営してくださった先生方や応援してくださった保護者の皆様に、心から感謝いたします。 令和3年1月20日  顧問:記

○中部日本大会を終えて 部員の感想

・今回の台本は、自分たちが楽しんで劇をつくることができる、そう思って選んだものです。中部大会の出場が決まってから、僕達は新たに出てきた改善点や課題の一つ一つをしっかりと考えながら練習を重ねてきました。どうすれば今の劇をもっと楽しんでもらえるかと皆で考える時間は楽しく、ちょっとした思いつきやふざけていて出来たものをそのまま大会で使うことになったシーンもありました。こうして自分たちの劇がより良くなるよう努力してきました。本番では、最高に楽しんで上演ができたと思います。上演後に、楽しそうだった、普段も仲良いのが分かったと言われたときは本当に嬉しかったです。自分たちが思い切り楽しんで演技すれば相手にも伝わるのだと、そう思いました。ここまで僕たちを支え応援してくれた保護者、先生方、僕たちを導いてくれた顧問の先生、そして共に進んでくれた仲間への感謝を忘れず、これからもがんばっていきたいです。誰か一人が欠けても、僕達はここまでやってこられなかったと思います。今年、このメンバーで劇を上演できたことを本当に嬉しく思います。最後に、コロナの影響もあり本当に上演ができるのかと不安になることもありましたが、地区、県、中部日本と上演する機会を与えていただけたことに心から感謝したいです。

・私は今年初めて舞台に立ちました。去年は照明担当で、正直本番以外はすることがなく練習の時は暇をもてあましていましたが、今回舞台に立ってキャストの大変さを心から理解しました。役に向き合い、その役になりきれるように地区大会から努力を積み重ねてきました。その際には部員や先生、先輩達を頼り迷惑をかけてきました。そんな私を支えてくれたみんなには感謝の念しかありません。親にも、普段の送迎から精神面でも支え助けてもらい、この一年は特に迷惑をかけましたが本当にありがたかったです。私は精神面がとても弱く、メインキャスト含む部員には本当に迷惑をかけたと思います。時にはずっと泣いていたり練習することを拒否したりもしました。でもそんな私を見限らず支えてくれたキャスト、スタッフのみんなには感謝してもしきれません。こんな私に嫌な顔せず手伝ってくれたり相談に乗ってくれたりしてくれて、本当に最高の仲間に出会えたことを誇りに思います。

・私は先ず、部員のみんなに感謝をしたいと思う。当たり前のことではあるが演劇は一人ではできないし、中部大会まで進出できたのは、部員が一丸となって練習に取り組み、しっかりと自分自身や台本と向き合って試行錯誤をしてきたからだと思う。部員のみんなには最大限の感謝を。そして顧問である宮野先生と副顧問である武野先生には、演技の指導や大会参加に向けての計画、バスやホテルの手配と至れり尽くせりでお世話になりました。本当にありがとうございました。最後に、今までたくさん応援してくださった方々やいろいろ手伝ってくださった方々に感謝したいと思います。ありがとうございました。

・今回の大会を通して学んだことは「協力」の大切さです。会場が三重県で、バスで5時間の移動、ホテルやコンビニでの決まった時間の行動まで全てが集団行動でした。また台本の内容は友情というテーマで、練習中から心を一つに頑張ってきて、結果を生み出すためには「協力」が必要不可欠だと知りました。そしてこのことを知るに至り、たくさんの人々の助けがありました。先生方や、トラックを出していただいた方、地域の方々、この劇に関わってくださった方、そして家族、本当にありがとうございました。

・中部大会に進むことができたのは、先生方や保護者のおかげです。なかなか力が入らない私たちの背中を押してくださったのも先生方です。本当にありがとうございました。期末テストやダンス発表会もありすぐには部活モードに入れなかったけれど、その後は中部大会に向けて皆で心を一つにして劇をつくり上げることができました。照明にとって大事な本番前のリハーサルでは、予定と違う作業になりましたが、相方の厚いサポートのおかげで焦らずにすることができました。本番ではタイミングを合わせにくい場面でもキャストと呼吸を合わせて行うことができたと思います。また、時間内の上演を終えることができたのは、キャスト皆の演技がいつもより笑顔でかつリラックスしていたからだと思います。中部大会では地区や県では観られない面白い作品や奥が深く難しい作品もありました。このような「全国レベルの演劇」を観ることができ、一生忘れられない思い出となりました。今思うと、練習期間は長いようであっという間でした。自分はどちらかというと演技面より学業との両立の方が苦労していました。モチベーションを上げるのに大変な時期もあったのですが、三重県に行けるっていうのを結構楽しみにしていたので、なんとか頑張ることができました。

・今年は去年と違って、リハーサルを仕切る、緞帳の上げ下げの指示をするといった普段の自分じゃなかなかやらないような大事な役目を担わせていただきました。初めてなことだらけで、ここどうすれば一番よかったか、自分の進行は他の人にとってはどうだったかなどいろいろ考えながらも、自分なりに楽しんでやっていました。本番当日はそこまで緊張することなく、役割をこなしつつ勝手にルーティンにしていた柔軟して、頑張れーという気持ちで舞台袖から上演しているキャストの声を聞いていました。自分の出番は少ないのですが、自分の中では100%のパフォーマンスができてとても満足しています。三重県に行った3日間は本当に楽しくて、これ程充実したクリスマスは今後ないだろうなと思いました。地区大会、県大会、中部大会と、ずっと保護者にはお世話になりました。土日の部活ある日に弁当作ってくれたり、送り迎えしてくれたり、自分一人じゃできないことを色々サポートしてくれました。ありがとうございました。

・地区大会から中部大会までを通して、いろんな人に支えてもらいました。先生方、保護者、大道具の運搬などに協力してくださった方々がいて、初めて自分の好きなことができているのだと実感しました。また新しい環境になかなか馴染めない僕を優しく迎え入れてくださった先輩方、いろいろと支えてくださった先生方には感謝しかありません。コロナの中で中部大会を開催していただけたことが本当にありがたかったです。大会で他校の作品を観ると、大道具の使い方や照明などたくさん工夫されており、また1年生でも演技が上手でとても刺激になりました。大会で学んだことを生かして、これからも頑張りたいです。

・中部大会を終えて、コロナ禍の中で今回の大会に出られたことは先生方や保護者のおかげであると強く実感しました。他の学校の作品を観て、自分たちには自分たちの個性があり、他校には他校の個性があることが分かりました。創作された作品が多くあり、自分たちの劇では見られないような演出や深くまで考えてあるストーリーに感心させられました。中部大会で得た知識や経験を、これからに生かしていけるよう、今まで以上にがんばりたいと思います。

・中部大会では多くの人に協力していただき、とてもありがたく思っています。そして中部大会を通して、周りの人への感謝の気持ちを強くしました。自分は、直前まで発音の癖を直さなければならないほどでしたが、他の1年生は面白さをさらに追求するほどに余裕がありとても頼もしく思えました。大会では、他の高校の演技力や発想力などがすさまじく圧倒されていました。こんな自分をこの中部大会に行かせてくれた先輩方や同学年の方々には感謝しています。気が回らず、演技も大して上手くない自分を受け入れ、さらには個別で練習相手をしてくださり感謝の言葉しかありません。今後はその期待に添うことができるよう、より一層努力したいと思います。

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